ありがとう あなたがくれたすべてに ありがとう

と、いうことで、
ハロプロ横アリ最終公演もこの1/30で幕を閉じまして、飯田圭織さんもモーニング娘。を卒業してしまいました。


1/29・30の2日間4公演。
飯田さん卒業へのカウントダウン以外にも、まぁ、イロイロ心は忙しい客体となった自分でもあったわけなんだけれど、推しの萌えドコロさえも押さえ込んで、瞬間的に上書きされる程の強制力を持った最終公演の「卒業式」がそこに成立してしまいました。


それは多分
彼女にとっての7年間は自分が彼女を見続けた7年間とイコールだから、かな、うん。


とりあえず、卒業式の一要素でもあった
毎回賛否というか、否定的意見の方が正論っぽく語られながらも、結果的には成功に終わってしまうサイリウム企画。
アリーナBブロック17列から見渡した風景からして、今回も成功に終わったようです。


否定的に言われる事ってのは、「やってる方の自己満足」ってことがイチバンで、それは実際そうなんだと思うんだけれど、
でも、その自己満足の根底に潜んだ想いをきちんとステージの上が汲み取ってくれている現実が成立しているんだから、それは結果オーライなんだと思うんだよね。


黄色から白への変化。
考えすぎじゃないの、って空気もなかったこともないグレードアップ企画だったけれど、
そこに込められた意味も含んで、飯田さん本人に伝わっていたようだから、良かったと思います。
まぁ、最終公演入場列に並んでいるとき、黄色と白のサイリュウムを手に持っていながら「何で黄色と白なんだろうね?」って話してた人たちがいた事実も現実として受け止めなきゃいけないとは思うんだけれど、さ。


で、卒業式そのもの。
今回の横アリ大乱舞最大の特徴である「回廊マジック」を無視したステージ上でのシンプルな卒業式。
ステージ袖からゆっくり中央へ位置し、黄色く染まった会場をゆっくりと見渡す飯田さん。
その暖かな笑顔はその会場にいるすべてをほんとうに愛しんでいる「微笑み」で、卒業の挨拶の第一声を発するまでのその時間の長さこそが、彼女がここまでモーニング娘。として走ってきた時間の長さだったんだろうね。


生来感激屋な部分を持った彼女なはずだから、たんぽぽ畑の再現だけでも十分感涙にむせび泣くことも出来る風景だったと思うんだけれど、そこで想いの結晶を一滴に留めて、微笑でステージを全うしようとした強さは、やっぱり、モーニング娘。のリーダーになってからの彼女の強さ。
きちんと伝えようと大切に発せられる言葉が、それでも時々乱れてしまうのが、感情として高ぶっていることを表してはいても、それでもちゃんと、伝わる言葉を語り尽くした彼女の姿は、
新曲について説明する度に、何言ってるんだか他人に伝わりにくい自分の世界の表現になってしまっていたころの彼女の姿からは想像もできない、単純表現で「大人になったなぁ」って感慨に値する姿でした。


花束贈呈から始まるメンバー個々からの贈る言葉
辻加護の時ははしょられてしまったケド、今回はちゃんと全員から。


前に卒業メモリアルのDVDの感想として、4期までと5・6期とで飯田さんへのスタンスが大きく違うと感じたって書いたケド、それは今回のこの場所でも強く感じて、
6期道重さんからはじまって5期高橋さんまでのメンバーが、みんな泣き崩れてしまっているのに対して、4期吉澤さんから2期矢口さんまで、もちろん涙をこらえてたりしているカンジはあるにしても、おおむね笑顔で飯田さんを送り出すことをやり遂げていたようで。


ともあれ、
飯田さんのカワイイモノ好きな部分にジャストフィットで、ほんとうに可愛がられていたカンジが溢れるさゆとか、
一年前の安倍さんの時はトップバッターを任された為に泣くタイミングを逸したっぽかったれいなの初めての大泣き公開とか、
髪を切ってキャワイさ増量の亀井ちゃんの、きちんと話す時にはきちんとした言葉を選べる属性の頼もしさと涙のバランスとか、
ゼッタイ泣かないスタンスで、本音も真実も包み隠さないで、でもちょっと、堪えてることがバレバレだったイイヤツ丸出しの美貴サマとか、
それぞれの約2年間が培った「大好き」を言葉に代えた6期メンバーと


それよりさらに「歴史」を重ねた分、思い出と愛情が同じスタンスで成立して、同じスタイルで涙と言葉をブレンドした5期メンバー
加入当初の物事に動じない風の印象からは想像できない「嫌われているんじゃないかと思った」という告白が、この期に及んで新たな発見の紺ちゃん
ほんとにしっかりとした言葉を残せる人としての成長こそが最大の贈り物であるかのように、的確な感謝を精一杯に返したガキさん
実は、愛情を持って見ている者なら誰もが心配してしまう存在であるが故に、常に気にかけてくれている存在として愛を感じていられた飯田さんであったらしい麻琴に
ライバル宣言の頼もしさを涙で暖かみに変えて、「かおりん」と呼ぶことで最後を噛みしめた愛ちゃん


ここまでの8人はまさに「涙が止まらない」状態で、
全てを優しく受け止める飯田さんと、各々のこころを映す抱擁の風景が繰り返されました。


そしてそこから
その暖かさこそ保ちながらも、空気が少し変わります。


本当に今そのときにこころに浮かんだ「生きた」言葉を贈ることを選んだよっすぃー
きちんと、贈る言葉として成立した文章を、しっかりと贈り届けた梨華ちゃん
一見対照的なんだけれど、それを受け止める飯田さんと同じように穏やかな笑顔と柔らかな口調で成立させた二人の心は、実はまったく同じベクトルの愛情を飯田さんに返していました。
尊敬する先輩でありながら、同じ時を刻んだ仲間でもある「かおりん」「かおたん」への愛情を。


そして全てが集束するのは次期リーダー。
その立場を全うする為に、涙を堪えて「引き継ぐ決意」をたんぽぽ畑に誓う矢口真里
そして、そんな彼女に自ら「リーダー」の称号を託す飯田圭織
意外なほど涙を堪えきっていた矢口さんであれたのは、きっとその目の前にいるのが飯田さんの暖かな視線から力を貰っていたのでしょう。


そんな、より「仲間」としての意識を前面化した言葉が総じて穏やかで暖かい空間を調律した4期と2期の3人の時間。
それもまた、飯田圭織という人の人柄がそれを誘引していたのは確実であるようです。


純粋な涙が涙を誘う前半と、想いが結実した暖かい笑顔が涙を誘う後半に分かれて刻まれた時間。
11人という、決して少なくはない人数が費やした決して短くはない時間。
それでも、想いを全て言葉にするにはおそらく足りなかったであろう時間。
贈る言葉の時間。


そんな時間が暖かさに包まれて永遠を刻んだ果てに


最後はモーニング娘。飯田圭織最後の歌=彼女が選んだ「夢の中」


彼女が歩み、走ってきた7年は決して夢ではない現実。そこにあったいくつもの苦難も全て現実。でも、そこにあった幾つもの「夢のような」幸せも現実であったから、
曲の始まりと同時に真っ白に成長した会場と向合った飯田さんが歌う「夢の中」は、全てを幸せに変換して、全ての「夢の中」に思い出として蒸着する音魂に姿を変えて
たんぽぽの綿毛と共に、モーニング娘。という「夢の中」から巣立っていく彼女を体現するものとしての感受をこころに残して


自らの誓い通り、涙で歌えなくなる事態を回避して、しっかりと歌を届けて
最後の「モーニング娘。でした」の言葉を合図に
終わりたくないしばしの余韻を経てその先に、卒業式の幕は下りたのでした。


そこで余韻を許さないように、最後の最後はハロプロ総勢となる時間が突きつけられる現実と、
そこにいる飯田圭織はまだモーニング娘。飯田圭織である現実が蛇足なのかどうかは受け留め方次第なんだけれど、
卒業式を終えた卒業生が多くの仲間に祝福されながら本当にその学び舎から踏み出していく儀式がその時間であるとするならば、
最後の円陣と最後の結束
その時間は決して蛇足ではない、旅立ちのプロセスだったんだと思われます。


余韻を狙いすぎたモーニングコーヒーがわかりにくかったせいなのか、最後の会場は余韻の行き場がチグハグではあったけれど、
そこにいた自分はもっとチグハグな放心状態だったから
かなりの時間を身動きできずにそこに立ち尽くす自分で費やしていたのが現実でありながら


いつ泣いていたのかも気付かなかったけれど、涙が通ったあとはしっかり認識できた顔をタオルで拭いて
会場を出る行為に踏み切る勇気を振起して


肌寒い場外に身を投じたその瞬間
7年間の全ては確実に思い出へと変換されたのだと認識しました。


その時を共に刻む事を許してくれた
飯田圭織さんへの限りない感謝と共に。



飯田圭織さん。
ご卒業おめでとうございます。